Archive for 2016

機関紙「堺の町衆」2016年11月号発行いたしました

2016-11-21

堺の町衆11月号(PDF)

頭痛の話

2016-09-02

頭痛に悩む日本人は15歳以上の3人に1人、およそ3000万人いると言われています。私も寝不足の時や、アルコールを飲みすぎた翌日に、頭がズキンズキンと痛む事があります。外来でも頭痛を訴えて受診する方は多く、皆さん「頭の中に何か出来ていないか」と心配されて、CTスキャンやMRI検査を希望されます。

頭痛には検査で異常の見つからない一次性頭痛(機能性頭痛)と、検査で異常の見つかる二次性頭痛(器質性頭痛)があります。ほとんどの頭痛は一次性頭痛なので、頭が痛いと言って、直ちに恐れることはありません。

一次性頭痛には、筋緊張性頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。筋緊張型頭痛は首の後ろから後頭部にかけて締め付けるような痛みで、入浴で首筋を温めたり、少量のアルコールを飲むと症状が和らぎます。この頭痛は体と心のストレスにより首から後頭部の筋肉に行く血管が収縮し、これらの筋肉が緊張するために起こります。軽いめまいを伴うことも多く、肩こりと関連の強い頭痛です。

片頭痛は「ズキン、ズキン」と、波打つような痛みで、頭痛が起こる前にチカチカした光が見えることがあります。体を動かすとガンガンと頭に響き、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。この頭痛は女性に多く、ストレスや疲労により、頭の血管が拡張するために起こります。この頭痛は、コメカミの部位を押さえたり、冷やしたりすることで症状が和らぎます。

群発頭痛は目の奥がえぐり取られるような痛みで、痛む方の目が充血し、涙がボロボロ出ます。この頭痛は、目の後ろを走っている内頚動脈が拡張して炎症が起きるためと言われています。一次性頭痛の中でも頻度は少ないものの、痛みが最も強く、特別な薬でないと対処できません。群発頭痛は一般のクリニックでは対応がむつかしいので、専門医の受診をお勧めします。

検査で異常の見つかる二次性頭痛には、クモ膜下出血、髄膜炎、脳出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などの他、目の病気として緑内障発作や、耳鼻科の病気として急性副鼻腔炎などがあります。これらの頭痛は、生命に関わるものが多く、原因に応じた対処が必要とされますので、頭が痛い時は安易に売薬で済ませず、まずは医療機関を受診して下さい。

痛風の話

2016-09-02

痛風とは血液中の尿酸値が上昇し、尿酸の結晶が関節の中に固まって、炎症を起こす病気です。「風が吹いても痛む」という意味で「痛風」と言います。痛風の起こりやすい関節は、足の親指の付け根が最も多いのですが、それ以外にも心臓から離れた、温度が低く、運動量の多い関節に起こりやすいのが特徴です。

尿酸値が高くなると、腎臓に結石も出来やすくなり、腎臓の働きも落ちて、やがて人工透析が必要になることもあります。血液中の尿酸値は100ミリリットルあたり7mg以下が正常範囲ですが、9mgを越すと痛風発作が起こりやすくなります。痛風は、過食でアルコール摂取の多い男性に多いのが特徴です。

体の中には約1グラムの尿酸が蓄えられていますが、600mgが毎日入れ替わっています。尿酸の8割は、自分の体の細胞を原料として、肝臓で作られます。ヒトの細胞は毎日古い細胞が壊されて、新しい細胞に入れ替わっています。古い細胞が壊された時に、細胞に含まれる核酸も分解されるため、その時に核酸の成分のプリン体も血液中に出てきます。そして、このプリン体が肝臓に取り込まれて尿酸が作られます。残りの2割の尿酸は食品由来のプリン体から肝臓で合成されます。これら肝臓で作られた尿酸は2割が便中に、8割が尿中に排泄されます。

血中尿酸値が高くなるのは、尿酸が過剰に作られるか、腎臓から排泄される尿酸が減るかのいずれかです。しかし痛風発作を起こすほどの高い尿酸値になるのは、腎臓で尿酸の排泄が減るのが大きな原因です。痛風といえば食品のプリン体が原因とよく言われますが、プリン体の多い食品は干物やレバーなどで、干物では100gあたり700mg、鳥レバーでは300mgのプリン体が含まれています。アルコールに含まれるプリン体は実は少なく、焼酎は0mg、日本酒は1合で1.8mg、ビールでも350mlで17.5mgしか含まれていません。しかしアルコールはそれ自体が、腎臓での尿酸の排泄を抑えるので結果的に尿酸値は上昇します。

痛風発作を予防するには、腎臓で排泄される尿酸を増やすために水をたくさん飲むことです。尿酸の高い人は、1日2リットルは飲みましょう。また尿が酸性よりもアルカリ性の方が尿酸は排泄されやすいので、尿をアルカリ性にする野菜や海藻、果物を多く摂るようにしましょう。

(前回の町衆の記事で、在宅酸素療法の適応が「酸素分圧55mmHg以上とあるのは、55mgHg以下」の間違いです。謹んで訂正いたします)

機関紙「堺の町衆」9月号発行しました

2016-09-01

堺の町衆9月号 (PDF)

 

休診のご案内

2016-08-12

お盆のため、8月14日(日)~8月16日(火)まで休診となります。

皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、お間違えのないように

お願い致します。

機関紙「堺の町衆7月号」発行しました

2016-07-05

堺の町衆7月号 (PDF)

電話のかけ間違いにご注意下さい

2016-05-30

電話番号のかけ間違いにて、相手方に大変ご迷惑をおかけしています。 堺医療生活協同組合堺北診療所の電話番号は、(072)233-6569です。 皆様のご協力をお願いいたします。  

肺気腫と在宅酸素療法

2016-05-19

 街中や病院で、キャリーケースやショルダーバッグに入れた酸素ボンベから細いチューブを鼻まで伸ばして呼吸している方を見かけたことはありませんか?昔、俳優の植木等さんが生前、友人の葬儀の時にこの携帯用酸素ボンベを肩にかけて、焼香している姿をテレビで見たことがあります。植木さんは肺気腫という病気でした。

 肺気腫とは、肺を形作っている肺胞という組織が、徐々に壊れて行く病気です。原因のほとんどはタバコです。肺胞は吸気時に肺に入った酸素を血液の中に取り込み、体で作られた二酸化炭素を血液から取り出して、呼気として肺の外に出すところです。肺は小さな肺胞の集まりで、およそ3億個の肺胞で出来ています。

 肺気腫はタバコを吸い始めて数十年後に発症してくる病気ですが、肺胞は毎年少しずつ壊れて行ってます。最初は健常な肺胞が、壊れた肺胞のカバーをしているので、本人は病気に気付いていません。しかしそのうちに咳、痰の量が多くなって、風邪に罹りやすくなります。また速足で歩いたり、階段の昇降などで息苦しさを自覚するようになります。タバコを吸い始めて数十年が過ぎ、ある程度以上の肺胞が壊れてしまうと、安静にしていても息苦しくなり、常時酸素吸入が必要になってきます。

息苦しさは血液中の酸素濃度(酸素分圧といいます)と比例するので、息苦しさを客観的に調べるためには、血液中の酸素濃度を測る必要があります。ところが血液中の酸素濃度を調べるには、動脈血を採取しなければなりません。動脈に注射針を刺すということは、患者さんに負担をかけることになり、また測定も特殊な機械を必要とします。そこで40年ほど前に、指先の動脈に光を当てて、血液中のヘモグロビンという色素の透過度を測定することで、血液中の酸素の量(酸素飽和度)を測定する機械が開発されました。酸素飽和度は健康な人では96%以上ですが、肺気腫のような肺の悪い人では95%以下となります。また安静時では96%以上でも、階段昇降などの運動時には90%以下に低下します。安静時でも息苦しい人は酸素飽和度が90%未満になっており、酸素療法の適応となります。

 日常の生活で酸素が必要な方は、自宅に酸素ボンベを設置することが出来ます。酸素ボンベには液体酸素と酸素濃縮器の2種類があります。酸素濃縮器は空気中の酸素を濃縮する機械で、液体酸素機比べ使用法が簡便ですが、電気代がかかるのが欠点です。外出時には携帯用の酸素ボンベがありますが、34時間しか持ちません。最近は吸気時のみ酸素が流れる同調式が出来てきたので、こちらは56時間程度持ちます(吸入の酸素量によって異なります)。将来酸素療法が必要な生活を避けるためには、まずは禁煙です。

機関紙「堺の町衆3月号」発行しました。

2016-03-01

機関紙「堺の町衆3月号」発行しました。

3月堺の町衆(PDF)

 

帯状疱疹(ヘルペス)の話し

2016-02-17

 年を取ってくると、神経痛に悩む方も多いと思います。何の前触れもなく、突然神経痛が出てきたときは注意が必要です。それは帯状疱疹(ヘルペス)かも知れません。

 帯状疱疹は水疱瘡(水痘)のウイルスによって起こる病気です。水疱瘡は子供の時に起こる病気ですが、全身に水疱が出来て1週間ぐらいで「かさぶた」になって治ります。実はこの時のウイルスは完全に死滅しておらず、三叉神経や脊髄神経の根元(神経節)に潜伏しています。そして高齢になって体の抵抗力がなくなって来た時に、突然神経節に沿った部位の皮膚に水疱を来たします。三叉神経に沿って発症すると、顔の片側で、目や耳の周囲に水疱が出来ます。脊髄神経に沿って発症すると、肩や腕、胸や背中、下肢にも水疱が出来ます。この時、特徴的なのは原則として体の片側だけに発症するということです(非常に重症の場合は、水疱は対側にも広がります)。

 帯状疱疹は神経に沿って発症するため、最初はピリピリとした神経痛と間違われます。そして数日経って水疱が出現して、初めて帯状疱疹だったと分かります。水疱の程度は個人差があり、狭い範囲で痛みも軽くパラパラと散在する程度のものもあれば、広い範囲で痛みも強く、水疱が癒合して、治った後も強い色素沈着を残すことがあります。また水疱が消えたあとも、頑固な神経痛が続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。

 治療法はなるべく早くに抗ウイルス薬を服用することです。これにより、神経痛の発症を抑えることが出来ます。抗がん剤治療を受けている人や、膠原病などで免疫抑制剤を服用中の人は重症になりやすいので、入院して点滴治療が必要になる場合があります。また水疱の部位は抗ウイルス薬の軟膏を塗布し、細菌感染を来たした場合は抗生物質の軟膏塗布が必要になることもあります。

 帯状疱疹は一度罹ると、膠原病やガンなどの基礎疾患がない限り、再発はほとんどありません。早期の治療が皮膚病変と疼痛の軽減に有効なので、ピリピリ痛む水疱が出来たらなるべく早く病院を受診して下さい。帯状疱疹を予防するためには、疲れを残さない規則正しい生活も重要です。

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