9月, 2016年

頭痛の話

2016-09-02

頭痛に悩む日本人は15歳以上の3人に1人、およそ3000万人いると言われています。私も寝不足の時や、アルコールを飲みすぎた翌日に、頭がズキンズキンと痛む事があります。外来でも頭痛を訴えて受診する方は多く、皆さん「頭の中に何か出来ていないか」と心配されて、CTスキャンやMRI検査を希望されます。

頭痛には検査で異常の見つからない一次性頭痛(機能性頭痛)と、検査で異常の見つかる二次性頭痛(器質性頭痛)があります。ほとんどの頭痛は一次性頭痛なので、頭が痛いと言って、直ちに恐れることはありません。

一次性頭痛には、筋緊張性頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。筋緊張型頭痛は首の後ろから後頭部にかけて締め付けるような痛みで、入浴で首筋を温めたり、少量のアルコールを飲むと症状が和らぎます。この頭痛は体と心のストレスにより首から後頭部の筋肉に行く血管が収縮し、これらの筋肉が緊張するために起こります。軽いめまいを伴うことも多く、肩こりと関連の強い頭痛です。

片頭痛は「ズキン、ズキン」と、波打つような痛みで、頭痛が起こる前にチカチカした光が見えることがあります。体を動かすとガンガンと頭に響き、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。この頭痛は女性に多く、ストレスや疲労により、頭の血管が拡張するために起こります。この頭痛は、コメカミの部位を押さえたり、冷やしたりすることで症状が和らぎます。

群発頭痛は目の奥がえぐり取られるような痛みで、痛む方の目が充血し、涙がボロボロ出ます。この頭痛は、目の後ろを走っている内頚動脈が拡張して炎症が起きるためと言われています。一次性頭痛の中でも頻度は少ないものの、痛みが最も強く、特別な薬でないと対処できません。群発頭痛は一般のクリニックでは対応がむつかしいので、専門医の受診をお勧めします。

検査で異常の見つかる二次性頭痛には、クモ膜下出血、髄膜炎、脳出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などの他、目の病気として緑内障発作や、耳鼻科の病気として急性副鼻腔炎などがあります。これらの頭痛は、生命に関わるものが多く、原因に応じた対処が必要とされますので、頭が痛い時は安易に売薬で済ませず、まずは医療機関を受診して下さい。

痛風の話

2016-09-02

痛風とは血液中の尿酸値が上昇し、尿酸の結晶が関節の中に固まって、炎症を起こす病気です。「風が吹いても痛む」という意味で「痛風」と言います。痛風の起こりやすい関節は、足の親指の付け根が最も多いのですが、それ以外にも心臓から離れた、温度が低く、運動量の多い関節に起こりやすいのが特徴です。

尿酸値が高くなると、腎臓に結石も出来やすくなり、腎臓の働きも落ちて、やがて人工透析が必要になることもあります。血液中の尿酸値は100ミリリットルあたり7mg以下が正常範囲ですが、9mgを越すと痛風発作が起こりやすくなります。痛風は、過食でアルコール摂取の多い男性に多いのが特徴です。

体の中には約1グラムの尿酸が蓄えられていますが、600mgが毎日入れ替わっています。尿酸の8割は、自分の体の細胞を原料として、肝臓で作られます。ヒトの細胞は毎日古い細胞が壊されて、新しい細胞に入れ替わっています。古い細胞が壊された時に、細胞に含まれる核酸も分解されるため、その時に核酸の成分のプリン体も血液中に出てきます。そして、このプリン体が肝臓に取り込まれて尿酸が作られます。残りの2割の尿酸は食品由来のプリン体から肝臓で合成されます。これら肝臓で作られた尿酸は2割が便中に、8割が尿中に排泄されます。

血中尿酸値が高くなるのは、尿酸が過剰に作られるか、腎臓から排泄される尿酸が減るかのいずれかです。しかし痛風発作を起こすほどの高い尿酸値になるのは、腎臓で尿酸の排泄が減るのが大きな原因です。痛風といえば食品のプリン体が原因とよく言われますが、プリン体の多い食品は干物やレバーなどで、干物では100gあたり700mg、鳥レバーでは300mgのプリン体が含まれています。アルコールに含まれるプリン体は実は少なく、焼酎は0mg、日本酒は1合で1.8mg、ビールでも350mlで17.5mgしか含まれていません。しかしアルコールはそれ自体が、腎臓での尿酸の排泄を抑えるので結果的に尿酸値は上昇します。

痛風発作を予防するには、腎臓で排泄される尿酸を増やすために水をたくさん飲むことです。尿酸の高い人は、1日2リットルは飲みましょう。また尿が酸性よりもアルカリ性の方が尿酸は排泄されやすいので、尿をアルカリ性にする野菜や海藻、果物を多く摂るようにしましょう。

(前回の町衆の記事で、在宅酸素療法の適応が「酸素分圧55mmHg以上とあるのは、55mgHg以下」の間違いです。謹んで訂正いたします)

機関紙「堺の町衆」9月号発行しました

2016-09-01

堺の町衆9月号 (PDF)

 

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