1月, 2017年

こむら返りの話し

2017-01-20

 こむら返りとは、筋肉が急に収縮して、激しい痛みを伴う症状のことです。多くは下肢の「ふくらはぎ」に起こります。夏と冬に多いのが特徴で、多くは夜中から明け方に起こります。
 こむら返りが起こる原因としては、①ミネラル不足、②水分不足、③運動不足などが言われています。夏場には、夜中に汗をかいて、明け方になると体の水分や塩分が不足した状態になるため、起こりやすくなります。一方冬場にこむら返りが多い原因としては、寒さと運動不足で筋肉の血液循環が悪くなるためと考えられています。
 こむら返りが起こったときには、ふくらはぎを伸展するようにします。例えば、布団の中でつま先を伸ばすように背伸びすると、ふくらはぎの筋肉が縮むため、こむら返りが起こり易くなります。こむら返りが起きそうになったら、踵を突き出して、つま先を立てるようにすれば、ふくらはぎの筋肉が伸びるため、こむら返りは起きないようになります。
 こむら返りの予防としては、夏場は塩分と水分を就寝前に補給して、明け方の脱水状態を引き起こさないようにします。お茶は利尿作用があるので、夜間に排尿して脱水が悪化する可能性があるので、スポーツドリンクがお勧めです。冬場は、ふくらはぎの筋肉の血液循環が悪くなっているので、就寝前に入浴してふくらはぎをマッサージすると良いでしょう。就寝前の水分補給として、お勧めは暖かいミルクです。牛乳にはカルシウムが多く含まれており、こむら返りの原因となるミネラル補給に有効です。また暖かい牛乳を飲むと体が温まり、ぐっすり眠れると言われています。
 それでもこむら返りが起こるときは、漢方薬の芍薬甘草湯がお勧めです。芍薬甘草湯は、こむら返りが起こったときに服用すれば、直ちに効果が現れます。また就寝前に服用すると、明け方のこむら返りが予防できます。芍薬甘草湯は、薬局でも売っていますが、多量に服用すると、カリウムが低下して脱力を来たしたり、不整脈を誘発することがあります。また血圧が上昇することもあるので、医師の診察を受けてから処方してもらうようにしましょう。

むくみの話し

2017-01-20

 むくみ(浮腫)は女性や高齢者によく見られる症状です。ある患者さんは「先生、私の足がむくんでいるんですが、むくみは死ぬ兆候だと言われたんですが」とか、ヘルパーさんが利用者さんに対して「足がむくんでいますね。これは大変だから、先生に早く診てもらったほうが良いですよ」とか言った事が、よくあります。
 むくみは血液中の血漿成分が毛細血管から滲み出てきて、細胞の周りに集まった状態です。血液を採取して試験管に入れて立てておくと、しばらくして赤血球などの血球成分は下に沈み、上の方にタンパク質を含んだ透明な成分が残ります。この透明な成分が血漿です。心臓から押し出された血液は、体の隅々にまで枝分かれした動脈を通り、毛細血管に至ります。毛細血管の壁は一層の内皮細胞で出来ているため、血漿成分は容易にこの隙間を通り抜けて細胞の間に滲み出ます。この時に色々な栄養分も滲み出て、細胞に栄養を与えています。そして細胞から不要になった成分は再び毛細血管の中に血漿とともに吸収され、静脈を通って心臓に帰ります。毛細血管から滲み出た血漿成分の一部は、体中を走っているリンパ管も通って、最終的に心臓に帰ります。滲み出る血漿成分と、吸収される血漿成分は、健康体であればバランスが取れているため、通常むくみは生じません。
 むくみが生じる原因としては、①血管内圧が高くなったとき(心不全・静脈血栓・静脈瘤など)、②血漿内のタンパク質が少なくなったとき(腎不全・肝不全)、③リンパ管の障害(リンパ浮腫)、④血管の透過性が高まった状態の4つがあります。
 むくみが高齢者に多いのは、4番目の毛細血管の透過性が高まった場合が多く、塩分の摂り過ぎもむくみを増強させます。心臓や肝臓、腎臓などに問題がない高齢者が、ただむくみを取るためだけに利尿薬を服用すると、脱水状態となり、血液が濃縮し、脳梗塞を起こす危険があります。女性は血管の周りに脂肪が多いため、男性よりもむくみやすくなっています。そして女性のむくみの多くは、夕方に出現します。これは、日中起きて生活しているために水分が上半身から下半身に移動するためです。
 むくみの原因は様々ですが、多くは慌てて治療する必要のないものです。むくみを取るために安易に利尿薬を服用するのは、体液のバランスを崩し、脳梗塞を起こすこともあるので、注意が必要です。

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