帯状疱疹(ヘルペス)の話し

2016-02-17

 年を取ってくると、神経痛に悩む方も多いと思います。何の前触れもなく、突然神経痛が出てきたときは注意が必要です。それは帯状疱疹(ヘルペス)かも知れません。

 帯状疱疹は水疱瘡(水痘)のウイルスによって起こる病気です。水疱瘡は子供の時に起こる病気ですが、全身に水疱が出来て1週間ぐらいで「かさぶた」になって治ります。実はこの時のウイルスは完全に死滅しておらず、三叉神経や脊髄神経の根元(神経節)に潜伏しています。そして高齢になって体の抵抗力がなくなって来た時に、突然神経節に沿った部位の皮膚に水疱を来たします。三叉神経に沿って発症すると、顔の片側で、目や耳の周囲に水疱が出来ます。脊髄神経に沿って発症すると、肩や腕、胸や背中、下肢にも水疱が出来ます。この時、特徴的なのは原則として体の片側だけに発症するということです(非常に重症の場合は、水疱は対側にも広がります)。

 帯状疱疹は神経に沿って発症するため、最初はピリピリとした神経痛と間違われます。そして数日経って水疱が出現して、初めて帯状疱疹だったと分かります。水疱の程度は個人差があり、狭い範囲で痛みも軽くパラパラと散在する程度のものもあれば、広い範囲で痛みも強く、水疱が癒合して、治った後も強い色素沈着を残すことがあります。また水疱が消えたあとも、頑固な神経痛が続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。

 治療法はなるべく早くに抗ウイルス薬を服用することです。これにより、神経痛の発症を抑えることが出来ます。抗がん剤治療を受けている人や、膠原病などで免疫抑制剤を服用中の人は重症になりやすいので、入院して点滴治療が必要になる場合があります。また水疱の部位は抗ウイルス薬の軟膏を塗布し、細菌感染を来たした場合は抗生物質の軟膏塗布が必要になることもあります。

 帯状疱疹は一度罹ると、膠原病やガンなどの基礎疾患がない限り、再発はほとんどありません。早期の治療が皮膚病変と疼痛の軽減に有効なので、ピリピリ痛む水疱が出来たらなるべく早く病院を受診して下さい。帯状疱疹を予防するためには、疲れを残さない規則正しい生活も重要です。

Copyright© 2016 堺医療生活協同組合 All Rights Reserved.Produced by ©UmedaPrinting.