膀胱炎の話し

2017-05-31

膀胱炎とは、尿道から大腸菌などの細菌が膀胱内に入り込んで、膀胱の粘膜が炎症を起こす病気です。膀胱炎は女性に多い病気で、これは女性の尿道が男性に比べて短く、大腸菌などの細菌が膀胱に入りやすいためです。昔は新婚の女性に多いので、ハネムーン膀胱炎と呼ばれていました。自由恋愛の昨今では、結婚前でも膀胱炎にかかります。
膀胱炎の症状は、①頻尿、②残尿感、③排尿時痛、④下腹部痛、⑤尿の混濁などです。発熱はありませんが、もし38度以上の発熱があり、腰部のだるい感じがするようであれば、細菌が膀胱から尿管を伝って、腎臓まで炎症を起こしているので(腎盂炎と言います)、急いで抗生物質で治療する必要があります。腎盂炎を起こすと、細菌が体中を駆け巡り、敗血症になり生命にかかわることがあるからです。
膀胱炎は、一度かかった人であれば、自分でも診断がつくありふれた病気です。抗生物質を内服することで、症状は数日で軽快します。この時大事なのは、抗生物質の内服を2~3日で止めないことです。症状は改善しても、細菌はまだ完全には死んでいないので、最低5日間はきちんと服用してください。
膀胱炎を繰り返すと、抗生物質に効かない耐性菌が増えてくる場合があります。一般にはニューキノロン系という抗生物質が多く使われていますが、何度も膀胱炎を繰り返す人は尿の細菌培養を行って、いつも使われている抗生物質に耐性が出来ていないか調べてもらってください。また、膀胱炎を繰り返す場合は、尿路系の異常が合併していることもあるので、一度泌尿器科で診察を受けたほうが良いでしょう。
膀胱炎の診断は、先ほどの症状と尿検査で行います。膀胱炎時の尿は、潜血、白血球、細菌が検出されますが、それらの所見が全くないのに、膀胱炎症状を起こすことがあります。原因としては、病院受診前に既に手持ちの抗生物質を服用していた場合があります。また何度も膀胱炎を起こした場合は、神経過敏になっていることが多く、こういう時は猪苓湯、五淋散などの漢方薬が効果を発揮します。しかし、これらの原因以外で難治性の膀胱炎症状を来すものに、間質性膀胱炎があります。原因はまだよくわかっていませんが、この膀胱炎が疑われる時は、私は泌尿器科を紹介しています。
膀胱炎の予防は、①トイレを我慢しないこと、②水分をたくさん摂るようにすることです。女性の場合は陰部の清潔に心がけ、特に性交渉の前後は陰部をきれいに洗い流し、性交渉後は尿道口に付着した大腸菌が膀胱内に入るのを防ぐため、排尿するように心がけて下さい。

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