不整脈の話

2010-03-08

 心臓は1日におよそ10万回、収縮と拡張を繰り返して全身に血液を送っています。心臓は筋肉で出来たポンプですが、生まれてから死ぬまで休みなく動いています。その心臓を動かすには、微弱な「電流」を必要とします。微弱な「電流」は心臓の基部にある洞房結節という箇所から発生し、心臓の先端に向かって流れていきます。心臓に1回「電流」が流れると、心臓は1回収縮します。これは規則正しく一定のリズム(健康な成人であれば1分間におよそ60~80回)で行われており、普段は自覚することがありません。
 ところが何かの拍子に、このリズムが乱れることがあります。そうすると心臓の拍動も乱れるため、自覚症状が現れます。脈が飛んだり、急に速くなったり、急に遅くなったり、脈がばらばらになったりなどの症状です。これが不整脈です。不整脈には緊急に治療を必要とするものと、じっくりと精密検査を行ってから治療するものがあります。緊急治療を必要とする不整脈は、急に脈拍が速くなり(1分間に140回以上)、それが30分以上続く場合や、血圧が保てずに意識を失ってしまうような場合です。そのような場合は救急車を呼んで、直ちに病院で治療を受けてください。また、脈が極端に遅い場合も、緊急に治療を必要とすることがあります。1分間の脈拍が40回以下になると、脳に行く血液の量が減って、失神することがあります。極端に脈拍が少ない場合や、脈が数秒以上止まってしまう場合は、ペースメーカーという機械を植え込む必要があります。
最近多くなっているのは、心房細動という不整脈です。これは心臓が絶えず小刻みに震えている状態で、それ自体は日常生活には支障ありませんが、血栓が心臓内に出来やすく、これが血流に乗って脳の血管を塞ぐと脳梗塞になります。長島重雄さんが、この病気でした。心房細動は年齢が上がるにつれて増加する病気で、その70%が65歳以上に発症し、日本人での患者総数は100万人にのぼると言われています。そのままにしておくと一年間に3~9%の割合で脳梗塞になり、脳梗塞の生涯発症率(心房細動を有している人が、一生のうちに脳梗塞になる確率)は約30%と言われています。心房細動の原因は、昔は心臓の弁に異常がある人が多かったのですが、最近は高血圧や脂質異常症、糖尿病を持っている人に多く発症しています。心房細動の初期は一過性に発作が起こるため、まず不整脈を治療する薬で心房細動の出現を抑えるようにします。しかし年月を経るとやがて不整脈の薬の効果はなくなっていきます。心房細動を有している人は脳梗塞を予防するため、出来るだけ早期から「血液をサラサラにする」血栓予防薬を飲むことが必要です。健診で心房細動が見つかった場合は、必ず精密検査と治療を受けましょう。

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