サルコペニアの話し

2014-11-26

 最近健康番組などで、「サルコペニア」という言葉が出てくるようになってきました。サルコペニアとはギリシャ語で「肉」を表すサルコと、「喪失」を意味するペニアを組み合わせた、「筋肉の喪失」という意味の造語です。年をとるに従って、全身の筋肉量が徐々に減少し、筋力が低下してくる症候群のことをいいます。
 人間の筋肉量は30歳頃がピークで、その後徐々に減少し、60歳を過ぎると急激に減っていきます。下肢の筋肉量が減ると転倒しやすくなります。サルコペニアの診断は、歩く速度をまず測ります。65歳以上の人で、50メートルを歩くのに1分以上かかり、握力が男性で30kg以下、女性で20kg以下の人は筋力が低下しています。それらの人で筋肉量が減少していればサルコペニアです。筋肉量の測定は特殊な機械を必要としますが、簡単な方法としては、ふくらはぎ(下腿)の最も太い部分を親指と人差し指で作った輪がすっぽり入れば、筋肉量が減っていると判定され、サルコペニアということになります。
 最近は「サルコペニア肥満」が更にクローズアップされるようになりました。サルコペニア肥満とは「隠れ肥満」とも言われ、足の太さは若い頃と変わらないのに、実は筋肉は減少し、その代わりに脂肪が増えた状態のことをいいます。サルコペニア肥満の人の下肢のMRIを撮ってみると、下肢の筋肉が脂肪に置き換わり、霜降りのロース肉のようになっています。サルコペニア肥満の人は、転倒しやすいのはもちろん、糖尿病になる確率も増えてきます。
 サルコペニアの予防は、まず下肢の筋力をつけることです。両足を肩幅程度に広げて、そのまま立った状態から、前かがみにならないようにして、膝を90度ぐらい曲げるスクワット運動をします。座りこんでしまうと膝を痛めるので、90度程度にしてください。倒れそうな時は、テーブルなどに手をついても構いません。これを10回ずつ、朝、昼、夕の3回行って下さい。更に真っ直ぐ立って、膝を高く持ち上げる足踏み運動をして下さい。これも10回ずつ、朝、昼、夕の3回行いましょう。
 サルコペニアを予防する食事としては、良質なタンパク質(大豆類、鶏肉、魚、チーズ、牛乳など)をしっかり摂ることと、ビタミンB6(レバー、魚の赤身、ピーナッツなど)、ビタミンD(イワシ、サケ、サンマ、干し椎茸など)も良いとされています。ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促し、骨粗鬆症の予防にもなります。

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