フレイルってなに?

2015-03-05

 昨年日本人男性の平均寿命は80.2歳と、ついに80歳の大台に乗り、世界4位となりました。女性は86.6歳で前年同様世界1位でした。今後日本は急速に高齢社会となっていきます。長寿そのものは喜ばしいことですが、多くの人は死亡する数年前から介護が必要な状態となります。そして最近は、介護を必要とする前段階の高齢者を表す言葉として「フレイル」が注目されています。フレイルとは、年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態のことです。もともとはフレイルティー(弱さ、虚弱)という意味の英語で、欧米では既に20年ほど前から使われている言葉です。
 人は誰でも年をとると徐々に体力が落ちてきます。筋力が落ちた状態をサルコペニアといい、骨がスカスカになった状態を骨粗鬆症といいます。これらを合わせた状態をロコモティブ症候群と言っていますが、フレイルは更に、気力まで低下した状態のことを言います。ある調査によると65歳以上の人の11%がフレイル状態でした。これを日本人全体に当てはめると、およそ300万人の人がフレイルであるということになります。
 フレイルの診断としては、①体重減少(1年で2~3kgの減少)、②最近疲れやすくなった、③筋力が低下した(例えば、買い物で2リットルのペットボトルを運ぶのがつらくなった)④歩くのが遅くなった(横断歩道を青信号の間に渡るのが難しくなった)、⑤身体活動性の低下(趣味のサークルなどに行かなくなった)の5つの項目の中で、3つ以上当てはまるとフレイルの疑いがあるとされます。これらは単なる老化現象とも言えますが、体力、気力が低下すると、他人と会うのもおっくうになって閉じこもり状態になり、認知症にもなりやすくなり、やがて介護が必要な状態になっていきます。いわば病気予備軍というわけです。
 フレイルを予防するということは、いつまでも元気な高齢者でいるということです。具体的な予防法としては、①タンパク質を中心としたバランスの良い食事をとる(牛乳やヨーグルトがお勧めです)、②ストレッチ、ウオーキングなどの運動をする(前回のサルコペニアの話の中で紹介したスクワット、足踏み体操も有効です)、③認知機能を時々チェックする(昨日の夕食のおかずを思い出せなくなったら要注意)、④感染を予防する(インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種をしておく)、⑤手術後は特に体力が落ちるので、リハビリをしっかりとする、⑥薬の多い人は主治医と相談して減らしてもらう(6種類以下にするのが望ましい)の6つを心がけましょう。
 長い人生、元気な老後を過ごすために、フレイルにならないようにしましょう。

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